京都の常識・非常識
みなさんこんにちは
広報のFです。
今回のテーマは、この春から京都で生活を始める方に
是非知っておいて貰いたい京都の常識です。
京都に住んでいる方には常識ですが、京都の場所を伝える際、
『三条烏丸にある新○館』『千本丸太町の○○眼科』などという言い方を、良く使います。
京都では、南北に縦に伸びる通りと東西に伸びる横の通りの交わったところを、
地名の様に名前と名前をくっつけて呼びます。
上記の三条烏丸とは、三条通りと烏丸通りの交わったところを指します。
また、『上(かみ)の方に行くと寒い』とか『京都駅から下がったところに、
イ○○モール京都があります』など、京都を上空真上から見た時に、
自分からみて前方を【上(かみ)】、自分より後ろの方向を【下(しも)】と呼びます。
上京区(かみぎょうく)、下京区(しもぎょうく)とも言いますよね。
また、良く他府県の方から京都人の性格の事を『イケズ』と言います。
例を上げると『ぶぶ漬けが出たら帰れの合図』『箒を逆さまに立てると帰れの合図』とか
色々といじわるなイメージがあります。
これは、大きな間違いです。
実際 京都の人は、帰って欲しい事を知らせるのにお茶漬け(ぶぶ漬け)を出しません。
少なくとも私の周りではいません。
これは、上方落語『京のぶぶ漬け』にこのようなエピソードがあり、それが広まったようです。
さらにその落語になる以前の小噺に、「一のもり」(安永4年、1775年)に
収録された『会津』という小噺あったようで、この噺が元々のようです。
しかしこの小噺には、京都人とは具体的に出ていないのですが、
あまりに京都人を感じさせ様子から、このような誤解生まれたのかもしれません。
しかし隣接する隣の大阪人は、思った事をハッキリ言います。隣同士でも大違いですよね。
例えば個性的で、変なスタイル髪型の人いた時大阪人なら『あんたのその髪型、
けったいやなぁ』とズバッと言います。
言われた方は、ムッとします。
でも、言ってあげた方が相手の為だったり、まわりの人たちが同じように感じていた場合、
一人がこの様にハッキリいう事で、ある意味笑いが起こります。
笑いが取れれば、きつく言っても許される(ジョークとして)。
それが大阪弁であり大阪人の考え方です。
しかし京都の方々の場合は、『あんたその髪型 変わってんなぁ。
今はそういうのが良いんか?私等にはわからんナァ。悪くはないけど!』と言います。
これは、遠回しに大阪人と同じ様に、異質な髪型の事を指摘しています。
でもハッキリ言わないようオブラートに包んで言っているのです。
さらにこの最後の『悪くはないけど!』が肝心。
キツイ事を言っても最後は、フォロー。
これが京都人です。
京都人同士ならここで気づきます。(ん?なんかおかしいかなァ?)と気になり、
『ちょっと変ですか?』と確認したりします。
つまり、京都の人は『空気を読む天才』『空気で会話』をしているのです。
(普通、言わなくてもここまで言えば解かるでしょう!!)と思っていますし、
上記のぶぶ漬けの一件も実際そんな事はしませんが、
空気を読んで生活する京都人の気質を良く表すエピソードとして、
世間に広まったのではないでしょうか。
『空気を読む』という社会生活の中で大切なこのスキルは、
会社や学校では教えてくれません。
この春、新生活で京都暮らしを始める方は、この『空気を読むスキル』を
勉強するいい機会ですね。
最後に、『よろしゅう おあがり(おあがりやす)』です。
これは、『どうぞ召し上がれ!』という意味ではなく、京都弁で『よく召し上がって下さり、
ありがとうねェ(ありがとうございます)』という食後の言葉です。
『ごちそうさまでした~』『よろしゅう お上がり~』と使います。
京都出身の方や、京都在住の方なら日常で良く聞かれると思います。
中々、初めて聞く人は、『へっ!?』と思うでしょう。
だって、どうぞ召し上がれと思ってしまいそうになりますよね。
京都の常識はややこしいナァ…。