大石さんに聞いてみよし!「金時花の由来」
皆さま
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
もうすでに1月半ばになり、今更ながらという感もございますが、そのあたりは広い心でお許しください。
さっそくですが、先日いただいたご質問をご紹介いたします。
内容は、『金時花(阿波花/徳島県や香川県で遊ばれていた花札の一種)遊び方』についてです。
この札の特徴の一つに、金太郎の鬼札(化札とも言う)があるということですが、この札を使ってどのように遊ぶのか教えて欲しいということでした。
鬼札を入れた49枚が一組(通常の花札は48枚)。
質問者に回答したのは以下の通りです。
『結論から申しますと「不明」という回答になります。
弊社は、花札を製造しておりますが、販売した先でそれぞれのローカルルールなどは、把握できておりません。』
『ただし、花札系書物(最後の読みカルタ/山口泰彦著)の記述や、金時花の別名「阿波花」などをヒントに、花札やかるたの歴史に詳しい方や、ネットなど可能な限り検索してみたところ、通常の花合せ(馬鹿花/八八花)と同じルールでも問題無いようです』
※なぜ金太郎の絵柄が、生誕地と言われている静岡県小山町や、元服後坂田金時(さかたのきんとき)として、源頼光と共に活躍した京都ではなく、四国で使用されるようになったのかは、別の疑問が生まれますが…。
上記の返答を差し上げたところ、質問者様から返信があり、『徳島北東部の鳴門市には、鳴門市産のブランドさつまいも【鳴門金時】があり、もしかすると鳴門と金時には何らかの関係があるかもしれません(だから他の地域では金太郎の札が確認されていない)』
と教えて頂きました。
※金時花(阿波花)は、四国・香川県、徳島県、など瀬戸内海周辺域で使われていたようです。
その他にも『鬼より強い札として金太郎にしたんじゃないか』という説を上げられた人もいます。
これらの説から金太郎(坂田金時)が肝心なのが分かります。
では、金太郎とはいったどういった存在なのか?
金太郎は、桃太郎や浦島太郎と同じく、昔話の登場人物とし非常に有名ですが、実は架空のキャラクターではなく、天歴10年(西暦956年5月生誕)に生まれた坂田公時(さかたのきんとき)の幼名です。
坂田公時は、平安時代中期の武将で、源頼光(みなもとのよりみつ/みなもとのらいこう)の家臣(四天王)として、酒呑童子や土蜘蛛を退治した事で有名な武将だったのです。
ちょうど2024年に放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』にも出るかもしれませんが、酒呑童子など妖怪のような登場人物も出さないといけなくなるのでNHKさんとしてはどうなんでしょう。
さらに金太郎を掘り下げてみてみましょう。
近松門左衛門作の浄瑠璃「嫗山姥(こもちやまんば)」では、夫の坂田時行が自害し、妻である八重桐に憑依して神通力が宿り、神通力を持って生まれたのが金太郎という設定です(劇中では金太郎ではなく怪童丸)。
その他の金太郎の話では、小山町の伝承で京都から中島の里(今の静岡県駿東郡小山町中島)に移り住んだ「八重桐(やえぎり)」という山姥(やまんば)が、寝ている時に夢に出てきた赤い龍と結ばれ、金太郎を宿したとされています。
生まれた子供金太郎(怪童丸)は、子供とは思えないほどの怪力の持ち主で、のちに源頼光に見いだされ京の都に上り、四天王の一人として活躍したそうです。
つまり、実際に活躍した平安時代の武将が、鬼や妖怪を倒した活躍を花札の絵柄に盛り込んだ可能性があるという推察の話です。
興味のある方は、是非大石天狗堂でお買い元頂ければ嬉しいです。
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