大石天狗堂製 手摺花札 発見!
皆さん、こんにちは。
広報の藤澤です。
よろしくお願い致します。
しかし世間はコロナウィルスの話題ばかりです。
コロナウィルスの影響から、学校が休校になった方や、自宅で仕事する状況になった方など、日常生活にも影響が出てきているようです。
マスクだけでなく、なぜかトイレットペーパーを買占める人が増えたり、箱ティッシュもなくなってきたりと、混乱が拡大しています。
一応お伝えしておきますと、トイレットペーパーの製造は、97~98%が国内で製造しておりますし、現在料も国産の再生紙や中国以外の輸入木材です。
自宅用の1袋だけでなく、友人・知人・実家の親用など、普段より余計目に購入する人や、次に買いに来た時に売り切れていると困るからと、複数買いされる人がいる事で、1袋も買えなかったという人が増え、その人が次の購入時に過去の経験から買える時に複数買いしておこうという負のスパイラルになってしまう。
不安な気持ちも、無いと困るのも皆一緒です。
自己中にならないように冷静に対応しましょうよ。
17世紀のヨーロッパで『ぺスト』が大流行した時の話ですが、病気が蔓延した時の人々の行動は、大きく分けて3種に分かれたそうです。
①(現実逃避)病気にかかる恐怖や、そのせいで生活が困窮した状況から現実逃避し、刹那的な欲望・快楽にはしり浪費も増えた。
②(あきらめ・思考停止)神からの試練であると考え、自らの行いを懺悔して神に許しを乞うた。
③(怒り・攻撃)ペストを広めた犯人を捜して、その者に責任を取らせようとした。
筆者も同じ状況なら、①~③のどれかの行動をするのでしょうけども、昔だけでなく今のコロナの混乱にも通じる部分がありますよね。
まずは冷静になり、普段出来る事や当たり前の事を、きっちりやりましょう。
帰宅したら手洗いうがい。
栄養の有る食事をする。
睡眠を十分にとるなど。
外出禁止中の方は、自宅で出来る何かをして過ごしましょう。
例えば【花札】や【百人一首】なんかは、いかがでしょうか。
さてさて、当店のオリジナルかるたを請け負う事業で、現在進行している案件があります。
海外のお客様でオリジナルの花札をデザイン・企画されていて、製造をして欲しいという事です。
その方は、かなりの花札好きのお客様でして、色々珍しい昔の花札を集めておられるそうです。
先日来店された時に、なんと大石天狗堂製の手摺花札を、見せて下さいました。
手摺(てずり)とは、現代の印刷ではなく木版画と同じように、木の板(版木/はんぎ)を、版の材料に使う凸版画で作る画法です。
墨を付着させたくない部分(白い部分など)を、彫刻刀で彫って製版します。
色を紙に付着させる際、均一に色が付くように、紙を版木に馬楝(ばれん)で押し付け、擦るようにして墨や色を付けた事から機械で色を付けず『手で版画を摺って作る花札』⇒『手で摺る花札』⇒『手摺花札』と呼ばれるようになりました。
江戸時代は、浮世絵やかわら版など、非常に木版印刷(手摺)が盛んで、大石天狗堂も当然手摺花札を製造・販売していました。
しかし技術が発達し、オフセット印刷やシルクスクリーン印刷などが主流となり、手間が掛かる割に製造数の少ない手摺花札は、時代と共に廃れて行きました。
大石天狗堂の製造した手摺花札も、作らなくなった⇒在庫も減るという流れで、ドンドン無くなってしまいました。
そのような経緯から、筆者も大石天狗堂製の手摺花札を見る事が無かったのですが、この度非常に貴重なコレクションを、見せて頂ける事が出来、撮影許可・ブログ掲載許可も頂きました。
この場を借りて、謹んでお礼申し上げます。
ではご覧下さい。
「花札所持者: 写真撮影:藤澤」
「花札所持者: 写真撮影:藤澤」
「花札所持者: 写真撮影:藤澤」
「花札所持者: 写真撮影:藤澤」
※花札所持者名は、名前の掲載許可が出れば追加します。
その後日、同じ海外のお客様から、また面白い史料が出てきたと連絡頂きました。
フランス人の知り合いの花札コレクターFabrice Heilig氏から、頂いた昔の東京の馬喰町の「西村商店」の広告の画像だそうです。
なんでも大石天狗堂の関東代理店の広告だとか。
明治37年のものだそうですが、よく持っておられたと感心します。
「写真: Fabrice Heilig」
「写真: Fabrice Heilig」
筆者や現在の当主も知らない貴重な資料を、見る機会が出来て、本当にありがとうございます。
オリジナル製作でこれからも、お仕事の御縁は続きますが、改めてお礼申し上げます。
この他にも「こんな昔のかるたあるよ~」とか「面白い花札見つけたんだけど~」という方がいらっしゃれば、ドシドシお報せ下さい。
よろしくお願い致します。
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