花札の謎シリーズ! 赤短『あかよろし?』
みなさんこんにちは、大石天狗堂の広報の藤澤です。
よろしくお願い致します。
さてさて、花札シリーズ第三弾として取り上げるのは、花札の赤短(アカタン)についてです。
赤短とは(松、梅、桜)の5点札のことで、さらに赤い短冊に字の書かれている物をこう呼びます。
この三種以外に赤い短冊【藤、杜若(菖蒲)、萩、柳】がありますが、アカタンと言わず、ただタンといいます。
この赤短に書かれている文字。
『あのよろし』と書かれているように見えますが実は違うんです。
『あかよろし』と読むのが正解です。
よく見ると『あ』と『の』の間に、チョンと書き込まれています。
むかしの『か』は、このように書いて『か』と呼んでいました。
変体仮名(旧仮名)とも言い、Windowsのフォントにはあまり見かけませんが、「Koin変体仮名」「奔行かな」という市販されているフォント(印刷屋さんが買うのかな?)にはあります。
では、意味はというと『実に素晴らしい』という意味だそうで、『実に素晴らしい』→『明らかに宜しい』→『明か宜し』→『あ可よろし』→『あかよろし』バンザーイ\(^o^)/
というように昔の言葉で書かれていたのですね。
では、実に素晴らしいとは、何が素晴らしかったのでしょう。
実はよくわかりません。
それもそのはず、これは昔、百人一首の歌人として有名な、喜撰法師の詠んだ和歌の一部『志(し)かそすむ』と書かれていたものを、誰かが写し間違えたという説もあるからです。
『し』=『志』と書かれていたもの。
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり 喜撰法師
(明治の初め頃まで、花札はご禁制の品でしたから、役人に見つかっても言い逃れする為に
百人一首などの和歌を使い、擬装していたのかもしれません。 あくまで筆者の想像ですが…)
では、なぜこの喜撰法師の和歌を松と梅に使ったのか。
明治以前の札には(松・梅・藤・芒・楓)の五種に赤短が2枚ずつあったそうで、それぞれの対の札に、短歌が上の句と下の句と分けて書かれていたという説があるのですが、確証の無い話なので、これ以上はやめておきます。
赤タンからすごく話が飛躍しましたが、筆者は歴史家でもないし、あくまでちまたのうわさ等を参考にしております。
しかし花札を少し調べれば、こんなに興味深い歴史や人間模様が隠されていて『たかが花札、されど花札』と感じましたが、みなさんは如何でしたか?
それにしても…
志 ⇒あ
か⇒か
ぞ⇒よ
す⇒ろ
む⇒し
変わり過ぎやろッ!!!!
シリーズ一覧
花札の謎シリーズ!5月札『杜若に八つ橋』(2013.7.2)
花札の謎シリーズ!赤短『あかよろし?』(2013.8.13)
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