続・続 裏貼り仕上げと断裁仕上げ
大石天狗堂 広報の前田です。
今回も前回、前々回に引き続き裏貼り仕上げと断裁仕上げの違いについて
お話したいと思います。
前回の予告通り、何故現在2種類の仕上げのかるたを製造しているのか、ですが
理由は大きく分けて2種類あります。
それは「価格」と「生産量」です。
裏貼り仕上げは丈夫さ、見た目の美しさ、どれをとっても断裁仕上げより上ですが
1部を除いてほとんどが手作りで作っています。
そのため、どうしても価格が断裁仕上げに比べ高額になってしまい、
生産量も少なくなってしまいます。
それに対して、断裁仕上げは比較的低額で大量生産することができます。
そこまでこだわらない、お子様用の練習、遊び用としてなら断裁仕上げでも
十分使って頂けるので現在は並行で製造しています。
ただし、競技かるたでは裏貼り仕上げが必須です。
前回のお話でかるたの反りについてご説明しましたが、
自然に反る以外にももう一つ理由があります。
それは反っているために床(畳)から少し浮いた状態になり、
かるたを取る際、指にかかりやすくなり、かるたが飛びやすくなります。
断裁仕上げだと全面がピタッと床につくため、逆にかるたが取りにくくなります。
昔から競技かるたでは裏貼り仕上げを使用していたので現在もそのまま使われています。
一般の方はそこまでこだわらなくてもいいと思うので、用途、お好みで
お選びいただいていいと思います。
少し話が変わりますが、花札、株札などの裏貼りの製法も今までお話ししたものと
ほとんど同じです。(若干異なる部分はありますが)
これで裏貼り仕上げと断裁仕上げの違いについては一旦終了したいと思います。
まだご質問等がございましたらいつでもお問い合わせください。