続 断裁仕上げと裏貼り仕上げ
大石天狗堂 広報の前田です。
前回に続いてかるたの断裁仕上げと裏貼り仕上げの違いについて
お話したいと思います。
前回までで基本的な歴史と作り方についてはご説明しましたが
今回はもう少し具体的にご説明します。
まずこの2種類の仕上がりの違いについてですがしたの画像をご覧ください。
左が断裁仕上げ(普及品)右が裏貼り仕上げです。
右側の裏貼り仕上げが少し反っているのがおわかりでしょうか。
これは裏紙に使用している和紙の特徴のせいです。
和紙は水分を含むと伸び、乾くと縮むという特性を持っています。
裏貼りは水分を含んだ糊を使用する為、貼る段階では伸びた状態になっています。
そして貼り終わって和紙が乾いてくると今度は縮み始めます。
そうなるとかるた本体(以下生地)の縁まで包んで密着しているわけですから
生地毎後ろ側(かるた裏側)に引っ張られます。
そして結果上の画像のように少し反った状態で完成するというわけです。
このかるたの反りは以上の理由で技術というより自然現象に近いですね。
ただし1組のかるた(200枚)の反りを一定にする、程よい反りでとどめる、等は
200年で培った技術が生かされています。
では次になぜ断裁仕上げと裏貼り仕上げの2種類があるのか、ですが
このお話は次回にしたいと思います。
今回で完結にしようと思っていたのですが、私の想像以上に話が長くなって
しまっているのでもう少し、この話題で引っ張りたいと思います。(笑)