大石さんに聞いてみよし!『和歌が元の和歌と違うのは何故!』
皆さんこんにちは。
広報のFです。
よろしくお願い致します。
百人一首に携わるお店として、皆様に覚えて頂いております大石天狗堂。
最近では、『ちはやふる』の影響で、製造数より注文数の方が多く、皆様にはご迷惑をお掛けしております。
日々、頑張って作っておりますので、もう暫くお待ち下さい。
さてさて、百人一首とは、古今集などの勅撰和歌集から藤原定家が選んだとされています。
定家の日記『明月記』によると、文暦二年(1235年)5月27日に『息子(為家)の義父(宇都宮頼綱)より、山荘の障子を飾る色紙を書いて欲しいと頼まれた』とあり、その時選定した和歌集『百人秀歌』が、百人一首の元になっていると言われています。
しかし、この秀歌の時は、99番藤原家隆、100番飛鳥井(藤原)雅経、101番西園寺(藤原)公経になっていて、現在の99番後鳥羽院、100番順徳院ではありませんでした。
定家が選定していた頃、後鳥羽院も順徳院も承久の乱に敗れ、流罪になっていたという政治的理由から、本来採用したい和歌では無い、別の和歌を採用したようです。
後の人がそんな定家の想い(考え)を汲み、現在の様な歌順や歌人に改訂したのだそうです。
しかし、百人秀歌(百一人秀歌?)が出来た後では無く、秀歌の選定時に元の和歌と違う物もありました。
紫式部 57番【新古今集』雑上・1499】の『めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな』とい和歌がありますが、新古今集によると『~夜半の月影』となっていました。
また、祐子内親王家紀伊 72番【金葉集』恋下・469】の元の和歌と百人一首の和歌が違ったりなど、これら以外にも幾つかありました。
つまり、藤原定家の選定した和歌から、後の世で改訂されている物もありますが、定家自身が元の和歌と違う和歌にした物もあったわけです。
では、なぜそのような違いが発生したのか。
理由①歌道の家元として、過去の銘歌をより良い物に修正した(要はダメ出しをした)。
理由②コピー機などの無い時代、人の手で写し伝えられている間に、文字の見間違えで違う和歌に変わった。
理由③読めなくてあやふやな物は知っている人に聞いて確認した時に、その人が間違っていた。
話は反れますが、昔のアニメで『巨人の星』というスポ根アニメがありました。
この主題歌の中で『お~も~い~こんだ~ら~♬ 試練の道を~♬』という歌い出しの部分がありました。
この時、バックに流れるシーンが地面を平らにならす石のローラーを飛雄馬が引きながらグラウンドを回るシーンが流れました。
当然、このローラーを≪重いコンダラ≫と思いませんでしたか、皆さん!
筆者は思いました。
正式には『手動式整地ローラー』と言うそうです。
当時、テレビの画面の下に歌詞が出るという事もなく、耳で聞いて歌詞を覚えたものです(大人向けのアニメには、今でも歌詞が出ない物もあります)。
また、キューティーハニーの主題歌の中に『ハニーフラーシュ! かわるわよ♡ 』というセリフ調の部分がありました。
これも筆者は、『可愛いわよ♡』と言っているように聞こえ(この人 自意識過剰やな!)と思っていました。
皆さんも、そう聞こえませでしたか!!!
この部分について、当時友人達と、大論争した事を思い出しました。
話がそれまして、すみません。
著作権や元ネタとい文化の無かった時代に、出来た和歌に、後の歌人が手を加えより完成された作品にする。
おそらく、こういった考え方が時代ごとに、【あたりまえ】としてあったのではないかと思います。
デジタルの時代の現代からすると、あいまいで、いい加減で、適当の様に感じますが、その時代では、【あたりまえ】だったんでしょうね。
戦国時代には、家系図がデタラメで、証拠が無くても『源氏の流れをくむ由緒正しい…』とか言った者勝ちだった それが当たり前!
江戸時代初期には、庶民の家には風呂が無く、湯屋(今のスーパー銭湯などのサウナをでかくしたような所)に行くのが当たり前で、しかも混浴!これが当たり前!
昭和の初期にはタバコを吸って、短くなったらピッて指で弾いて捨てるのが(火が付いたまま)カッコよかった これが当たり前!
路上喫煙禁止法なんてまったくない。
今は、カッチリしてハッキリした世の中が、当たり前!
なんてどんなんでしょうね。
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