花札の謎シリーズ !3月札『桜に幕』後編
みなさんこんにちは。
広報の藤澤です。
宜しくお願い致します。
花札の謎シリーズ『桜に幕』の後編です。
日本人にとって最も愛されている樹木、それは桜ではないでしょうか。
桜の種類は(ソメイヨシノ、八重桜、黄桜など)600種以上あります。
しかし、ここまで日本人に親しまれている樹なのに、なななんと!実は日本の国花は『桜』ではないんですね。
(実際に日本の国花は定められていません。ですから菊と桜は国内外に認知されている特別な花というだけの存在になります)
さあみんな~!今からでも遅くないぞ!(桜を日本の国花)に一票を‼!
さらに凄いのが、万葉の時代から日本に存在する桜の中には、【三大桜】と呼ばれる古樹も存在します。
『三春の滝桜 (福島) 樹齢約1000年』
『根尾谷の淡墨桜 (岐阜) 樹齢約1500年』
『山高神代桜 (山梨) 樹齢約2000年』
『すごい桜も存在したもんですね! ここまでくるともう【御神木】です』
樹齢2000年って、(BC)ですよ!! キリスト様がなくなられてからずーっと存在し、同じ場所で成長し続けているんですから、ある意味【世界樹?】
京都の桜守【さくらもり/第16代目 佐野藤右衛門】氏など、桜の木を存命し続けさせる事に特化した、熟練の職人一族まで存在しています。
なんせ16代ですからね!
『桜っちゅうのは、いっぺん傷がついたら塞がらん木や。幹が太くなるにつれ、傷も大きくなりよる。そして必ず、そこから腐ってくるもんなんや。そやから、桜は絶対に切ったらあかん』(佐野藤右衛門 談)
桜に対する愛情と責任感を感じさせる金言です。
京都の桜も、佐野さんの様な愛に満ちた桜守さんが育てるから、立派にスクスク成長し続けるのでしょうね。
そうした、人々の弛まぬ努力や愛情が、日本の桜文化を支え、日本人の心に『日本の国花』という意識を定着させたのでしょう。
万葉の時代にも、桜を愛でる歌が詠まれています。
桜をサクラと表現せず、『咲く』+『ら(接続語)』と春に咲く花の代名詞として記されていたり、『春雨の しくしく降るに 高円の 山の桜は いかにあるらむ』の様に、山桜とハッキリ詠む歌もありました。
つまり、大昔から日本人は桜が好き!
という事です。
ゆえに花札の【桜に幕】の風景は、日本人の心のルーツ!
万葉の時代より受け継がれる心象風景と言えるのではないでしょうか。
万葉の時代から花札があったわけではありませんが『うんすんかるた』~『現代の花札』という製造過程の中で、カルタ屋の誰か、もしくは版画で新しい図案を考えた誰かが『3月の札は、サクラで決まりだね!』『ついでに幕も掛けちまえ~』てな感じで考えたのかもしれませんね。
秀吉晩年の大イベント『醍醐の花見』の風景が元ネタの可能性や、『菅原伝授手習鑑』の中に登場する、三兄弟の『桜丸』がルーツというのは、また別の機会に。
シリーズ一覧
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