京都パワースポットと百人一首!【上賀茂神社編】
皆さんこんにちは、広報のFです 。
新たに新シリーズとして『京都のパワースポット』について書いていこうと思います。
比叡山延暦寺や、上賀茂神社、下鴨神社、吉田神社、平安神宮、八坂神社、清水寺、
豊国神社、瀧尾神社、東福寺、伏見稲荷大社、藤森神社、御香宮神社などなど…
色々な雑誌やテレビマスコミ、ネットやただのうわさなど、今さら取り上げるのは、
『時代遅れ』であり、踊らされている感たっぷりです。
当店が取り扱わなくても、もっと詳しく、もっと裏の裏までつっこんだ
情報のブログやサイトもあるでしょう。
しかし、あえてやります。
大石天狗堂がいくら京都のお店だからと言って【京都のパワースポットについて書く】では、
あまりに安直すぎるという事で、同じやるなら百人一首やかるたなどに関係する場所で
お送りして行こうと思います。
が、しかし(霊感)もなければ(信仰心)も少ない筆者が書き綴る当ブログ。
近所にパワースポットがあっても知られていない場所や、
有名なのに筆者が知らないだけの場所もあるでしょう。
その辺は、逆に皆様ご存知でしたらご教授下さい。
不思議な事に、京都のパワースポットは、直線状につながったライン上に多く点在し、
その多さやご利益(?)に驚嘆致します。
例えば、上記の寺社仏閣などの地図に印をしてみて下さい。
同じライン上に並んでいるのが分かります。何故でしょう?
風水師や歴史好きな方の方が、よくご存じかと思いますので、解答はそちらまで。
ではまず最初は、上賀茂神社から見て行きましょう。
上賀茂神社は正式には『賀茂別雷神社』といいます。
日本最古の神社の一つで、平安遷都より前から神が降臨した地として、大切にまつられてきました。
パワースポットとして有名な場所ですが、そういった風水や気といったものに興味が無い方でも、
この地にいると心がなごみ、清々しい気分になるでしょう。
実は、百人一首に『風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 従二位家隆(98番) 新勅撰集』という歌があります。
この(ならの小川)の「なら」は、奈良県の奈良ではなく、 楢(木の種類)の事であり、上賀茂神社の本殿西側を流れる【御手洗川(みたらしがわ)】と 本殿東側を流れる【御物忌川(みものいみがわ 上賀茂神社HPより)】が、 舞殿の傍らで合流し【奈良(楢)の小川】になり境内を南に流れて行きます。
つまり「すっかり御手洗川のほとりも楢の葉がそよそよ揺れたりして、秋めいてきたけど、
まだ夏なのよね。だって六月祓の行事が行われているのがその証拠よ」といった意味です。
この家隆さんは藤原定家(小倉百人一首選者)と並び称されるほどの歌人で、
生涯6万首も歌を作り続けたそうです。
この歌は屏風に添える屏風歌で、上の句の(聴覚・触覚的表現)と、
下の句の(視覚的表現)との対比の歌だそうで、木々に囲まれた小川のほとりで、
楢の葉が青々と茂り、上賀茂の地で行われている御祓(六月祓)を執り行う白衣の
神官達の神事を表現した風景歌です。
丁度、この歌に詠まれた大祓(おおはらえ)が2014年6月30日(月)に執り行われます。
大祓とは、年に二度【6月の夏越しの祓(なごしのはらえ)】と
【12月31日に行われる年越しの祓(としこしのはらえ)】の事を指します。
大宝律令によって正式な宮中行事に定められましたが、
行事自体はその前から行われており、現代と違い衣類の洗濯などあまり頻繁に
行われることのなかった古代の日本では、雑菌が繁殖しやすい時期に、
一斉に真新しい衣類に取り換える事で、疫病にかからないように備える意味があったようです。
つまり、家隆の和歌に詠まれた『みそぎぞ夏の しるしなりける』はこの、
六月の夏越しの祓の情景を詠んでいたんですね。
そんな悠久の時を超えて執り行われ続けて来た年中行事『夏越神事(なごししんじ)』
『夏越祓式(なごしはらえしき)』が6月30日(月)午前10時(本殿神事)
午後8時(ならの小川で人形投流)予定です。
是非、お時間、ご都合の合う方は、10時からの『夏越神事』で茅輪(ちのわ)をくぐり、
午後8時からの『夏越祓式』で半年間ためまくった罪穢を祓い清めてみて下さい。
午後8時でしたら、平日仕事終わりでも、ギリギリ間に合うかもしれませんよ。
そして、上賀茂神社の境内を流れる二つの川が合流する場所に、
上賀茂神社のパワースポットがあります。
二の鳥居をくぐりすぐに見える細殿(ほそどの)の前に三角錐型の一対の砂山。
【立砂(たてずな)(盛砂もりずなとも言う)】
上賀茂神社から北に2㎞ほどの場所に美しい円錐形の山【神山(こうやま)】があり、
その山をかたどったのが立砂と言われています。
この立砂は、神の憑代(よりしろ)で神が引き寄せられて乗り移るものとされ、
神職の方が、4時間近くかかって作るとの事です。
この立砂をケータイの待ち受けにすると、運気が上がると言われていますが、
真偽のほどは、ご自身でお確かめ下さい。
しかし、もっと凄い最強パワースポットが他にも存在しました。
この立砂のある細殿(ほそどの)の裏、本殿楼門の正面に注連縄(しめなわ)で
囲まれた一角があります。
その名も『岩上(がんじょう)』
岩上の横に立つ立て札の文章には、
『岩上 賀茂祭(葵祭)には、宮司この岩の上に蹲踞、勅使と対面し、
御祭文に対して神のご意志を伝える「反祝詞」を申す神聖な場所である。
太古御祭神が天降りされた秀峰神山(こうやま)は本殿の後方2㎞の処に在り、
頂きには降臨石を拝し、山麓には御阿礼所(みあれしょ)を設け厳粛な祭祀が斎行されてきた。
この岩上は神山と共に加茂信仰の原点であり、古代祭祀の形を今に伝える場所である。
神と人との心の通路(かよいじ)でもあり、「気」の集中する場所である。』
と書かれてあります。
なにげに凄い場所が、しめ縄だけで遮られた手の届く処にあるとは!
間違えて踏み入る人はいないでしょうけど、神域なのにこんなに簡単に
近寄れてしまうと、逆に恐れ多いですよね。
しかもそれだけではありません。
来年2015年秋には、『賀茂別雷神社(上賀茂神社の正式名です)
第42回 式年遷宮』が執り行われる予定です。
伊勢神宮は20年毎でしたが、上賀茂神社は21年に一度だそうです。
因みに、大阪の住吉大社は30年毎、出雲大社にいたっては60~70年毎だそうですから、
その分盛大にするのでしょうか。
21年に一度ですが、世界遺産に登録されている上に、国宝2棟、重要文化財41棟もあり、
簡単にはいかないようです。
そこで基本修復や屋根の葺き替え作業がメインだそうですが、
この葺き替えがハンパないほどの費用がかかります。
屋根の葺き替えだけで20億円です。
「柱なんかの修復費も入れたいくらかかんねん!」
でも、檜皮葺(ひわだぶき)なんだから仕方ない。
*檜皮葺とは、日本古来の屋根部分の工法で、50~60年ほど成長したヒノキの表皮を使い、
縦75㎝×15㎝ほどに切りそろえた桧皮を、1枚1枚横方向に敷き並べます。
そして1枚毎に1.2cmずらしながら重ねて葺き上がり、5枚重ねる毎に竹釘を2cm程度の
間隔で打ち付けます。
この時、檜皮葺用の『屋根金槌(やねかなづち)』を使用します。
1枚75cmの長さの皮を1.2cmずつ、ずらしながら葺くので62.5枚重なることとなります。
厚さにすると9cm程度の葺厚となります。「日吉大社HPより抜粋」
だいたい一坪葺くのに2,400~3,000枚の桧皮を使います。
また足場が悪く、高所の危険と隣り合わせの中、職人さん達は作業されます。
夏の照り付ける日差しも、身の切れる寒風の冬も、一生懸命多くの職人さん達が
携わり精根込めて技と心込めるわけです。
それだけでも完成した時には、感動もひとしおでしょうね。
本殿楼門入って左側で、桧皮の寄進を募っていました。
確か、数千円(1,000~3,000円)位だったかな。
是非、ご協力をお願い致します。
みんなで大切な物を、次の世代に残していきましょう!!!!
そんな日本の宝を守ろうと思う気持ちが、一番のパワーです(^_-)-☆
シリーズ過去ブログ