京都の底冷えとかるたの関係
皆さんこんにちは、広報Fです。
京都も12月に入り、日中は暖かい日が少なくなって来て、特に朝晩は寒いです。
昔から京都の冬は、底冷えするといわれてきました。
京都の他に『底冷えがする』といわれる場所は、山梨の甲府盆地、埼玉の秩父盆地など、
盆地に起こる現象のようです。
盆地以外でも、冬に寒いのは当たり前だし、部屋の中でも暖気は上、
冷気は下に行くのも当たり前なのに、なぜ盆地だけ、そしてなぜ京都が特に
『底冷えする』と言われるのか。
「底冷え」とは、どういった状態なのか。
辞書などによると『身体の芯から冷えて寒い状態』とのことです。
底冷えする地域に住んでいる人達の意見では、
「朝晩と日中の温度差(放射冷却)」「和風建築なので構造的に夏仕様、
冬は寒くても我慢」「盆地だから風が吹かず冷気が逃げない」等、いろいろあるようです。
以前にアイススケートをした時、ブーツ越しにジワジワと足首が重だるくなるような
鈍い痛みを感じたことが有りました。
また、大阪湾の方に行くと、USJやその周辺の地域は、埋め立て地の為、
冬はなかなか足元が暖かくならないと感じたものです。
実際、京都に住んでいましてこのような「ふくらはぎから下や足首が重だるく痛い」と
感じている方も多いでしょう。
つまり、寒いだけでなく、「重だるい」と表現した方が解りやすいかもしれません。
しかしこれは、体の皮下脂肪や着ている衣類で個人差がありますので『すごく寒い!』
と言う人や『平気だよ』という人など色々だと思います。
京都は、三方をすぐ近くまで山に囲まれた盆地の為、強風を周りの山々が遮り、
上空の暖かい空気と下の冷気が混ざらず留まり、冷気の溜まり場(冷気湖)に
なってしまいます。
おまけに、雲の無いよく晴れた冬の夜は、溜まった地熱が宇宙に
放射されてしまいドンドン冷える(放射冷却)。
そりゃ寒いわけだ。
さらに、こんな狭い盆地(827.9平方キロメートル)に、147万人近い人口が
密集しています。
京都府全体の半分以上の人が京都市内に住んでいて
(京都府面積:4,613.21平方キロメートル 京都府人口:2,620,699人)、
このような1市で府や県の全体の半分以上の人口を占めるのは、東京以外では
京都だけです。
京都府の五分の一の面積に、京都府の半分以上の人口ってすごいですよね。
当然家屋も盆地内にひしめき合い、建物の陰で日が遮られたり、
風をさえぎったりと他の盆地よりも『底冷え』条件が重なり、『寒い』と感じる人も
多いという事でしょうね。
昔の京都には、エアコンも床暖もヒートテックも当然ありませんでした。
そんな時代の人達は寒い季節を、どのように過ごしていたのでしょう。
それはズバリ!『重ね着』『火鉢』『お風呂』そして『我慢!』。
昔の人(特に昭和一桁生まれまでの人達)は、暑い寒いにとにかく我慢強かった。
精神力というより『しかたないでしょ!冬は寒くて当たり前』『家の中でジーッとしてたら
寒いまま、掃除や洗濯 体を動かしてれば温まるわ』と、祖母がよく言っていたような気がします。
むしろ寒い冬は、家族や友人達が集まり、花札や百人一首でワイワイ盛り上がる方が、
心も身体も温まりますよね。
もしかすると、かるた遊びがお正月の定番になったのは、そういった寒さ対策だったのかもしれませんね。