花札の謎シリーズ!『こいこい』って意外とあれなのね
皆さんこんにちは。
広報のFです。
よろしくお願い致します。
久しぶりの『花札の謎シリーズ』ですので、まだ公開していない4月札、6月札、8月のどれかにしようかなと思っていたのですが、今回は違うテーマにしました。
今回のテーマは『こいこい』
花札の遊び方の一つで、映画『サマーウォーズ』の作中で、暴走した人口知能とゲームで戦う際、ヒロインの少女が選択したのが花札のこいこいでしたね。
遊び方は、ザックリ言うと2人対戦の花札。
場(見えるよう並べて札を置く場所・座布団の上等)に8枚、手札(各人の手持ちの札・相手に見えないよう注意)が8枚、残りは場に伏せて置く(山札)。
これで準備はOK。
そして、『馬鹿花』と違い、札にそれぞれ付いている点数は関係なく、役のみで競います。
親と子(対戦している2人)のどちらかが、役が出来れば『勝負!』と宣言して終了する。
この時まだ役が連続して出来る手札の状態なら『こい!』と宣言してプレイを続けます。
『こい』の回数で点数の倍率が変り、1回『こい』で2倍、2回『こい』で4倍、3回『こい』で8倍になります。
つまり相手が先に、役(仮に三光・3文)が出来『勝負!』をコールしたとして、こちらは雨三光(2文)だったら、『こい』コールで倍の4文になり、こちらの勝ちという訳です。
役の点数が違うバージョンや、『こい』一回で点数が上がるバージョンなど、様々なバリエーションのルールがあります。
いわゆるローカルルールと言うやつですね。
『こいこい』は、福島県会津地方が発祥のようで、発祥から数十年後の昭和3~4年頃、東京方面に伝わり、人口密集度の高い都会部で爆発的に広まりました。
また、鉄火場(賭博場)で『ばった巻き』(関西の手本引の様な賭博ルール・アトサキとも言う)の様な本勝負を行う前に、『気付バクチ』と称してこの『こいこい』が行われていたようで、鉄火場でも人気があった事が伺えます。
余談ですが、この鉄火場で使われていた賭博専用の札(関東では、ばった巻き)(関西では、手本引)【ハリ札・クリ札】と言うものがあり、実際に賭博にはこの札が使われていたようです。
そして、別の部屋で興じていたのが、『こいこい』だったのです。
しかし運悪く、使用中の八八花札を、ガサ入れ時に飛び込んで来た警察と、取材の為一緒に乱入した新聞記者が写真にパチリ、新聞にデカデカと『花札賭博!』と載り、花札の悪いイメージが、一気に一般の人々に浸透してしまったと以前、大石天狗堂八代目頭首に聞いた事があります。
つまりカルタが生まれたルーツは、信長の時代(天正)ポルトガル人が日本に持ち込んだ『ドラゴンカード』。
『うんすんかるた』などの時を経て、江戸時代に花札が生まれ、150年以上カルタ界で生き残ってきました。
そして、花札の遊び方では有名な『こいこい』は、昭和初期発祥。
たかだか約90年ほど前に生まれた遊びが今も遊ばれているんですね。
イメージでは、凄い古くから伝承されてきた気がしていたのですが、以外に新しいと感じるのは筆者だけでしょうか。
シリーズ一覧
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