花札の謎シリーズ!『花札の版権って誰の物?』
皆さんこんにちは。
広報の藤澤です。
宜しくお願い致します。
11月も半分が過ぎ、昼間はともかく日が沈むと、かなり寒さを感じる今日この頃。
京都は、外国人観光客が少なくなった代わりに、GOTOトラベルのおかげで県外からの日本人の観光客が増えてきました。
飲食店、ホテル業界、お土産物屋さんも、まだまだ大変なようですが、少し賑わいが戻ってきた気がします。
やっぱり、なんだかんだ言っても、京都は観光都市。
観光客が多いと、店側のやる気も変わるし、京都人の生活も潤うし、やっぱりうれしいですよね。
大石天狗堂も、以前に比べお客様のご来店も増え嬉しいです。
でも、コロナの事も気を付けつつ、とにかく今は頑張るしかないという状況ですね。
元大リーガーのイチローさんが、こんな事を言われたそうです。
『びっくりするような好プレイが、勝ちに結びつくことは少ない。 確実にこなさないといけないプレイを確実にこなせるチームは強いと思う。』
確実に期待に応え結果に残す事が肝心というわけですね。
やはり世界で偉業を残す方の言葉には、重み・説得力がありますよね。
イチローさん程の世界的プレーヤーだと、華々しいプレイばかり注目されがちですが、その陰には”確実にやるべき事をこなす”というプロ意識があってこそなんですね。
大石天狗堂もカルタ作りという文化の担い手として、コロナ禍で色々と今までのようにいかなくても、やるべき事を確実に結果を残す仕事を、今まで以上にコツコツ頑張って行きたいと思います。
さて、今回久しぶりの『花札の謎シリーズ!』は、【花札の版権って誰の物?】というテーマで始めたいと思います。
私の担当する業務の一つに『オリジナルかるた制作』というものがあります。
皆様がデザインしたイラストや、考えた文言を、一つのカルタに仕上げる作業です。
そんなオリジナル作品を制作させて頂く上で、たまに聞かれる事に「新しい花札の絵柄を考案したいのですが、元々の花札に版権(著作権)とかってあるんですか?」って聞かれます。
そもそも『版権って何?』から説明しますとですね。
正式に版権とは著作権の旧称で、現在の著作権法でいう『音楽』『映像』『写真』『図書(書籍や作画等)』などの内、図書などの権利だけを指す出版業界の俗称が『版権』と呼ばれるものです。
例えば、今大人気の漫画『〇滅〇刃』
これは、週刊連載やコミックス、集英社から販売される書籍など、書籍の版権は集英社さんかと思います。
しかしアニメ・映画など映像物や、そこから派生したグッズなどは、アニプレックスさんに許可を取らないといけないようです。
ただし、アニメやゲームのキャラクターを無断で使用したり、芸能人の写真を加工したカルタをオリジナルデザインして製品を作ったりして販売する事は、法律で禁じられています。
また、自分が違法に使用(加工)したのでなくても、それを知っていて(有償・無償に問わず)手に入れた場合、同じく罪に問れますのでご注意下さい。
著作者に許可を取る場合、その著作者が定めた使用料などが発生しますので、『あの~、オリジナルでカルタを作ってコミケで売ろうと思ってるんですけど、画像を使って良いっすか?(そんな奴おらんか!)』って確認しても、おそらくダメでしょうね。
では、花札の絵柄はどうでしょうか?
花札の版権(著作権)は誰の物?という事に対しては、現在作画した人物の特定や出版(?)した版元すら分からないのが実情です。
そもそも著作権法で著作物が発表されてから起算し、その著作者の死後50年(映画は70年)で著作権の保護期間が過ぎる為、江戸~明治時代に保護期間が過ぎている事になり、著作権じたい問えません。
※そもそも江戸時代に著作権法を持ち出すのはどうなんだろう。
答えは、『版権はありませんが、メーカーが製造した花札商品を、コピーして加工するのは、勝手に使わんといてね~』です。
現在販売している花札の品物(物体)の権利は、また違う権利になりますからご注意下さい。
例えば、世界的に有名な探偵小説『シャーロック・ホームズ』を例に挙げてみましょう!
シャーロック・ホームズと言えば、「頭脳も大人、身体も大人」の立派な大人が、難事件を抜群の推理力と行動力で解決
する名作です。
この名作が誕生したのが1887年。
今から130年以上前です。
作者のアーサー・コナン・ドイルが没したのが1930年。
その60年後の1990年に、シャーロックホームズシリーズの著作権が失効しました。
それにより、日本国内でも多くの出版社が、『シャーロック・ホームズ』の書籍をリニューアル刊行しました。
このように大昔に著作権の失効しているものもあります。
例えば、花札の絵柄をアレンジして、オリジナル作品の花札を作り、ルールは花札ですが、絵柄はオリジナルの花札を作ることは、誰でも可能です。
※オリジナルといっても、勝手に鬼〇〇刃の花札を作ったり、勝手にワ〇ピー〇の花札を作るのは、怒られますからね。
絶対にダメですよ!
ただし、フリーハンドによる模写などは、常識の範囲内で黙認されているようですね。
だってそんなこと言ったら、子供のお絵かきでド〇え〇んやア〇パ〇マンを、描いただけで著作権法違反で、起訴されんのかっちゅう話になりますからね。
かくいう筆者も、子供の頃に作品のイメージをダブルで損なう有名な漫画を合体させた『天才サザエボン』や、劇画タッチの絵柄で『ドラエメン』という架空のキャラを、描いて遊んでいました。
皆さんは、描きませんでしたか?